崩れそうな私を救った「僕」の言葉

村上さんの『ダンス・ダンス・ダンス』が大好きです。「僕」がユキに怒る場面がずっと心に残っていました(ディック・ノースが死んだ後のところです)。

自分の娘が3歳で死にました。とてもとても悲しくてやりきれない気持ちでいっぱいだったのですが、「僕」の言った言葉を思い出して、勝手に救ってもらいました。
「人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。公平に、できることなら誠実に。そういう努力をしないで、人が死んで簡単に泣いて後悔したりするような人間を僕は好まない」
村上さんもきっとつらいことがあったのだと思いますが、こうして言葉を残していただけたことで、私の崩れそうな心の支えになりました。どうしてもお礼を伝えたかったので、こういう機会を作っていただき本当に嬉しいです。これで後悔しないで済みそうです。

今は天国のお姉ちゃんのお下がりを着た妹を抱っこしてこのメールを打っています。
(アメのちユキ、男性、40歳、不自由業)

そんなことを書いていましたっけね? 僕はまったく覚えていません。すみません。今そういう風に引用されると、「若い頃はずいぶん生意気なことを書いていたんだな」と思っちゃいます。赤面してしまいます。でもその言葉があなたの心を、何らかのかたちで癒やし、慰めることができたのだとしたら、僕としては嬉しいです。というか、ちょっとほっとします。お姉さんのぶんまで、妹さんをかわいがってあげてくださいね。

村上春樹拝