『心臓を貫かれて』に圧倒されて

数十年来、村上さんの小説を大切に読んでいます。キツい時期には小説の記憶に助けてもらいもしました。
翻訳では、『心臓を貫かれて』を何度も繰り返して読んでいます。
人が痛めつけられて、取り返しの付かないところまで追い込まれていく様が、手に触れることができそうなほど生々しく、でも押し付けがましくなく伝わってきます。
読んだ後、激しい無力感に襲われます。救いはあるけど小さ過ぎる。
どうすればいいんだろうな、と益体もないことを思います。
渦中の人がここまで書き綴ることの凄まじさに圧倒されます。
このような本をもっと読みたいと思うのですが中々見つかりません。そのことがこの本を特別なものにしてくれます。
特別な本を翻訳して頂きありがとうございました。
(なかぎょう、女性、42歳)

たしかに『心臓を貫かれて』はとんでもない本というか、「こんな本はまず他にないだろう」というような本ですね。僕も訳しながら、身体をどこか別のところに引っ張られていくような薄ら寒い恐怖を感じていました。本当の意味で特異な本です。似たような本は他にはありません。

村上春樹拝