ちゃちゃっと書くコツをささっと

文章を、素早く、簡潔に書くコツを教えてください。
今日が質問の期限ですが、すでに村上さんは、たくさんの質問に、たくさん答えてこられました。その作業は、どのような感じでこなされてきたのでしょうか。
私は、要点を短く簡潔にまとめることも、ささっと書くことも、両方とも苦手です。今も、締め切り前に焦って書いていますが、これだけの文章でも、うまくまとめられずにいます。

私の場合、書いた文章をしばらくしてから読み返すと、言いたいことの半分も表せていないと思うことが多々あります。細部をちょこちょこ直す癖もあります。しばらく置いておく時間的な余裕がない場合は、ほんとに困ります。

すでに、「文章を書くことが苦手だ」という方の質問に対して、「女の人を口説くのと一緒」と答えられていましたが、私は女の人を口説いたことがありません。図らずも今し方「頭をあちこちぶっつけながら」の回答がアップされました。それを読むと、やっぱり文章を書くことは難しいんだなぁと、しゅんとした気持ちになりました(別々の回答をひっつけて読んでもいいのですよね)。でも、たしかに、文章を書くというのは、芸術に近づく作業だと思います。だから、持って生まれたセンスの方は、私は、もう諦めています。
ただ、言いたいこと、伝えなければならないことを、過不足無く、ちゃちゃっと書きたいのですが、そのコツを、ささっとお教えいただければ嬉しく思います。

ちなみに、私は村上さんの作品ではエッセイが好きです。『徒然草』なんかも、あの短い文によくいろんなことを押し込めたもんだなと感心します。自分に出来ないからかなぁ。

それでは、たくさんのお返事、おつかれさまでした。腱鞘炎にならないように、五十肩(?)にもどうぞ気をつけてください。
(そらのくも、女性、46歳)

男になって、自分が女性を口説いているところを想像してみてください。あなたは女性だから、男の人にどんな風に口説かれたら「落ちちゃう」か、だいたいわかりますよね。そういうところを想像するんです。英語で言うseduceです。誘惑して、こっちに引っ張り込んで、ものにする。たらしこむ。基本的にはそういう具合に文章をかけばいいんです。

むずかしい? むずかしいですよね。

村上春樹拝