職種を替えるのが怖くなかったですか?

村上さんはじめまして。かえるくんが大好きなかえるくんと申します(自己愛?)。
真剣な質問があります。村上さんが作家になられるときの話です。
村上さんは当時、かなり繁盛していたお店のオーナーだったのに、専業作家になるため、それを手放したと聞きます。
成功している飯の種を手放すのは、怖くはなかったですか? 
それを手放して小説で食べていけるという確信なり戦略みたいなものが、あったのでしょうか? 
それとも、もし小説がダメでも、それをたとえ何歳で気づいたとしても、また店を開けば生きていける、または全然違う仕事にも就くことができる、という確信なり戦略なりがあったのでしょうか? 
それとも、人生を小説に賭した、ということなのでしょうか? ご家族からの反対はありませんでしたか? 

自分も現在「職種替え」という似たような岐路に立っており、迷っています。年齢も年齢だし家族もあるしで、困っています。
(かえるくん、男性、39歳、会社員)

まだ若かったし、「何をしたって、食っていくくらいのことはできるさ」と思って、好きなことをやりました。小説が駄目なら、また店をやればいいじゃないか、みたいな感じで。何をするにせよ、怖いもの知らずというか、わりに自信があったんだと思います。みんなは反対したけど、なんで反対するのかよくわかりませんでした。人生を小説に賭した、みたいな大げさなものではありません。ただ「どうせ何かをやるなら、たとえ一時期でもいいから全力を傾けてやってみたい」という思いはありました。

家族の反対? うちの奥さんは何でもチャラにしちゃうのが好きな性格なので、とくに反対はしなかったな。

村上春樹拝