乳がんになって考えた「自分らしさ」

村上春樹さん、こんにちは。
春樹さんと同じ大学・学部の後輩で、30代の独身女です。
このたび、がんになりました。乳がんです。
どうしよう、わたし死んじゃうのかな……と泣き暮らす時期は終わりました。
生きるか死ぬかは、いくら考え悩んでもどうしようもありません。
それより今は、間近に迫った手術や薬物治療により、片胸がなくなったり、髪の毛が全部抜けたりすることに不安を感じています。また、仕事や趣味(春樹さんの影響でマラソンを楽しんでいます)も、しばらくお休みしています。
この病気によって、たくさんの大切なものを奪われて、やりたいこともできず、自分らしさがどんどんなくなっていくような気がして、いいようのない無力感に支配されています。
ところで、「自分らしさ」って何でしょうね。自分でもよくわかりません。
胸や髪や仕事や趣味に「自分らしさ」を感じていたのかというと、そうでもないような気がします。
そういう、答えの出ないことばかり考えて、もやもやした時間を過ごしています。

「そんなことを考える暇があったら、○○のことでも考えたらどうですか?」という前向きなご提案を頂ければ幸いです(お忙しい春樹さんに読んでいただけるだけでも十分に幸いですが)。
(ねこかぶり、女性、37歳、事務職)

とてもお気の毒です。いろいろと深く悩まれたことと思います。治療もつらいでしょうし、片胸がなくなったり、髪が抜けたりするのもずいぶん悲しいと思います。僕の知り合いにもそういう思いをした方が何人かおられます。でもその人たちの多くは回復し、今では驚くほど元気に活動しておられます。前よりも元気なんじゃないか、というくらい。

どんなことにも、失うものと得るものとがあるはずです。失うものはたしかに大きいかもしれませんが、得るものを少しでも増やしていってください。回復されたときにそれがきっと役に立つと思います。いろんなことがうまくいくといいですね。そうなることを祈っています。

村上春樹拝