両親への嫌悪感から逃れられません

私は31歳で、両親と不仲です。というより、私が一方的に嫌悪感を抱いています。
理由ははっきりしていて、幼い頃あまりの過保護ぶりに恥ずかしい思いをし、それを未だに許せないからです。両親にとってはじめての子であり、かわいく、心配に思う気持ちはわからなくもないのですが、それでも子どもよりも自分たちの気持ちを優先する態度を取られ続けたことを思うと、憎しみに似た感情が胸いっぱいに広がります。
人を嫌う理由のひとつに、自分と似ているからというものがあり、親子ですし、この嫌悪感にはそういった理由もあるのだろうと思います。
両親も随分歳を取り、このままではいけないという思いもあります。この歳になって反抗期のような態度を、と自身にも嫌気がさします。しかしどうしても、このどす黒い感情をうまくコントロールできません。
親というのは、ものすごく近い、けれど他人。なんだかとても難しい存在です。春樹さんは、両親との関係をうまく築けていますか? どうしたら、受け入れられるでしょうか。
(くまちゃん、女性、31歳、司書)

愛情を思い切り注いでもらったけれど、それも結局は親のエゴじゃないか。自分たちの思うように子供をつくっていきたかっただけなんじゃないのか。そう思うと、怒りがこみ上げてくる。そんなべとべとした親子関係に嫌悪感を感じる。そういうことですね。あなたの感じておられることはとてもよくわかります。同じようなことを感じている方は、ほかにもたくさんおられると思いますよ。

僕の場合も、両親との関係はそれはひどいものでした。30年くらいほとんどひとことも口をききませんでした。でも今ではいろんなことを許せるようになりました。それがたとえどんなかたちであれ、愛情を注いでもらえたというのは大事なことだったんだなと思えるようになりました。でもそう思えるようになるまでにはけっこう時間がかかりました。あなたもゆっくり時間をかけてください。

村上春樹拝