Bemshaの長年の謎が解けた!

村上さん
先日セロニアス・モンクの“Bemsha Swing”のBemshaについて質問した者です。
15000通以上の相談や質問がお手元に届いているお忙しい中、このBemshaの件でご返信を頂戴し、恐縮しつつ、とても感激しています。本当にありがとうございます。

『セロニアス・モンクのいた風景』の編者・訳者・著者でいらっしゃる村上さんも流石にBemshaの意味をご存知ないと伺い、ああ、結局永遠に謎のままか、と残念でしたが、同書のはじめに村上さんが書かれていますように、「謎の男」のモンクらしくて、これはこれで良いかな、と思うようにしました。

しかしやはり気になり、数年前にインターネットで検索して答えが見つからなかったのに、グーグルで“bemsha swing meaning”のキーワードで改めて検索したところ、モンクの伝記作者のロビン・ケリー(この人の名前は『セロニアス・モンクのいた風景』に登場していますね。ちなみに同書の巻末に索引を付けたのは、とてもいいアイデアだったと思います)が2009年に刊行した“Thelonious Monk: The Life and Times of an American Original”がグーグル・ブックスにある程度アップロードされていて、その23ページに次のような記述が見つかりました:

… and “Bemsha Swing,” which he wrote with his good friend, Barbadian-born drummer Denzil Best. The original copyrighted title was “Bimsha Swing,” Bimsha (or Bim or Bimshire) being a nickname for Barbados.

また、同書の469ページにある注釈の52によりますと、モンク自身がインタビューで次のように答えているようです:
As he said in an interview with Francois Postif, the word comes “from the Antilles.”

つまりは“Bemsha”は、カリブ海にある島国のバルバドスのことだそうです。

以下がロビン・ケリーの本に関するリンクです:
http://www.monkbook.com

http://books.google.co.jp/books?id=jk3Bx7KfdO8C&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

今回「村上さんのところ」のウェブサイトが立ち上がったことをきっかけに、私が「そうだ、村上さんにBemshaについて尋ねてみよう」と思わなければ、分からずじまいだったかもしれない長年の疑問が、お陰様で解けました。このような形でも「村上さんのところ」が役に立っています。

Bemshaの謎の解答をお知らせしたく、また御礼を申し上げたい気持ちから、つい長々と書いてしまいました。
お赦しいただければ幸いです。

取り急ぎ御礼申し上げます。
これからも村上さんの作品と翻訳を読むのを心から楽しみにしています。
(bemsha、男性、51歳)

ありがとうございました。「ベムシャ」というのはバルバドスの愛称だったんだ。知りませんでした。僕はけっこう調べてみたんですが、そこまでは行き着かなかった。いずれにせよ謎が解消してよかったです。あなたのこのメールはセロニアス・モンク・ファンの皆さんのためにもアップしておきますね。

ただデンジル・ベストってどこを見ても、「ニューヨーク生まれ」って書いてあります。そしてウィキペディアを見ると、ベストは(おそらく)「ベムシャ・スイング」の作曲者でもあると書いてあります。どういうことなのでしょうね。ひょっとしてモンクの謎はさらに深まったのかも。

村上春樹拝

(管理人註)「Bemsha」はバルバドスの愛称「Bimshire」が訛ったものと言われています。また、デンジル・ベストの両親がバルバドスからの移民だそうです。