男の子は運動靴をはいて床屋に行くべし

長野の田舎で理髪店を経営している、村上主義者歴3年目の54歳です。
店内の本棚には、コミックや週刊誌のほかに村上作品の文庫もずらりと並べています(残念ながらうちの店では圧倒的にコミックが人気ですが)。
それでもたまに(100人に1人くらい)村上本に興味を持って下さるお客さんもいらして、あれやこれや話できるのも楽しいです。

質問です。
『やがて哀しき外国語』のなかに床屋の話が出てきますが、それによると村上さんは床屋から今はユニセックスの美容室に行かれていると書かれていますが、現在でも美容室派なのでしょうか?(あれだけいろいろあったら僕も美容室派になっているかも) もしそうなら、どんな床屋だったら「また行ってみてもいいかな」と思いますか? ぜひお聞かせください。
(おとこまえぱぱ、男性、54歳、理容師)

僕は長いあいだ千駄ヶ谷商店街にある床屋に通っていたんですが、床屋なので予約をとってくれず、待ち時間が惜しいので、あるときから原宿の近くにある美容室(安西水丸さんが紹介してくれました)に行くようになりました。今でも床屋さんって予約をとってくれないのでしょうか? 

僕は昔から「男の子ってのは、運動靴をはいて床屋にいくものだ」という説を唱えておりました。まっとうな男子としての虚飾のない生き方、というか。しかしなにしろもう、男の子とも呼べないような歳になってしまいましたし、このような変節もまあしょうがないかなと思っています。で、ずっとその美容室に通っております。

村上春樹拝