海外旅行を断られるのが悲しい

村上さんこんにちは。ご相談したいことができたので送らせてください。
私は、旅行が趣味です。海外には友人がいることもあり、だいたい1年に1回は海外に行くことがあります。日本語の通じない友人とも遊びますが、決して英語が堪能ということはありません。その辺りは結構いい加減で、たまたまです。もちろん国内旅行も楽しいですし日本も大好きですが、日本にないものがある外国を見るのも好きです。
それで、日本人の仲の良い友達とも、近場でいいから一緒に海外旅行してみたいな~、と思うのですが、一度も海外に行ったことがない友達なんかは海外に行くことを頑なに避けます。無理強いするのは良くないとは思いますし、「危険そう」とか「言葉が通じないのは嫌だ」とか「飛行機が怖い」とか「そもそも海外が嫌い」とか人には色んな理由があるとは思うのですが、人生は一度きりだからと機会があればどこにでも行く私には、どうもその気持ちがよくわかりません(でも、最近はそういう人が多いように思います)。正直なところ旅行自体は1人でも行けますし、実際行ってますし、その友達以外と行けばいい話なのです。それでも、なぜか誘ってみては断られ、少し悲しい思いをします。どうすれば自分の心に折り合いがつくのでしょうか、あるいは、良い誘い文句はあるのしょうか。
(匿名希望、女性、30歳)

なんだか最近はそういう「閉じこもり」傾向みたいなものが、若い人のあいだにけっこう強く出てきたみたいですね。僕は日本にいるとだんだん息が詰まってきて、こりゃ駄目だと見切りをつけて、思い切って海外に出て行った人間なので、そういう「閉じこもり」の気持ちはもうひとつよくわかりません。海外に出ればもちろん苦労することもあるし、嫌な目にあうこともたくさんあります。しかしそれにもまして、今ここで確実に自分の周縁を広げているんだという手応えがあります。リスクを引き受けてこそ得られるものもあります。せっかく海外に出て行けるチャンスがあるのに出ていかないというのは、もったいないなと僕は思います。あなたもそう思いますよね?

村上春樹拝