『日出る国の工場』が大好きです

こんにちは、村上さん。安西水丸さんとの『日出る国の工場』が大好きで何度も何度も読み返しました。自分が工場という空間が大好きなのかもしれませんが、村上さん自身は、最近興味のある工場はありますか? それとも全くなしでしょうか。
(はとむね、女性、51歳)

僕の少年時代の工場って、日本経済の伸び盛りというか、元気いっぱいに稼働していました。工場見学みたいなものもしょっちゅう行われていました。でも最近では公害問題とか、異物混入問題とか、企業は様々なトラブルの対応に追われ、かなり神経質になっています。簡単に「見学させてください」と押しかけにくくなっています。ああいう気楽な本を書くのは、今となってはけっこうむずかしいかもしれませんね。

僕はあの本の中で「ソープ」とか「風俗」をやりたかったのですが(そういうのも一種の工場みたいなものじゃないかと思ったので)、いろいろと事情があって果たせませんでした。水丸さんも残念がっておられました。まあ普通の「工場見学」というのとはちょっと雰囲気が違うと思いますが。

村上春樹拝