ノースダコタの図書館は素晴らしい!

こんにちは、春樹さんにお知らせしたく書いてます。私は、アメリカのノースダコタのグランドフォークスという人口5.5万の町に住んでます。田舎町なのに、実はここの図書館が素晴らしいのです! 日本の作家本なんてあるのだろうか? と思い探してると、『雪国』『羅生門』くらいしかなく、そうよな~とがっかり。でも春樹さんは人気だから、ひょっとしてある? いや、ないよな……え、え?! え~~~。なんとそこには『つくる』『1Q84』『海辺のカフカ』など7、8冊もの作品がきちんと並んでありました。すごい! きゃー春樹さんカッコいいー。ホントに心が躍りました。嬉しくペラペラめくって読んでると、『ダンス・ダンス・ダンス』の最終ページに職員の方からと思われるメモが糊でしっかりと貼り付けられていました。「これは素晴らしい本。宣伝文や解説文なんて読まずに、とりあえず読んでみて。でもこれを読む前に、まずは『羊をめぐる冒険』を読んでね。私なんて、ぶっ飛んだんだから!」そして最後に「Both books are compelling as hell. Right on, brothers and sisters. Knock yourselves out.」これを読んで嬉しくて泣きそうになりました。わかる人がこんな所にもいたんだって。これを書かれた方を探して、私からお礼を伝えようと思いましたが、良く考えれば私は赤の他人なので、残念ながらやめときました。
(まい、女性、38歳、主婦)

ノースダコタ、車を運転して横断しましたが、ほとんど牛の姿しか見えませんでした。モーテルに泊まってテレビをつけると、牛の相場情報をずっと流していました。夜の番組ではカウボーイたちとカウガールたちのスクエア・ダンスを中継していたりして、これはすごいところだなあと思いました。でもそんなところでも(失礼)、僕の本が熱心に読まれているんだ。とても嬉しいです。牛も読んでいる……なんてことはないですよね、まさか。

村上春樹拝