カープ・ファンの心理について

20年くらい愛読している主婦です! うかがいたいのは、野球ファンの心理についてです。
私は広島に住んでいるため周囲はカープ・ファンだらけで、やれマエケンがどうだ野村監督がどうだ、また引き抜きかよなどの種々の激怒(愛?)に接します。しかし彼らがカープを好む理由は、単に地元だからです。それだけであんなに情熱的になれるのはなぜなのでしょう? 東京に行ったらジャイアンツが好きになるのでは、と密かに疑っています。
めったにそういうのに出られない村上さんが、嬉々としてスワローズの公式サイトに出ておられるのを拝見し唖然としましたため、ご質問させていただきました。お体に気をつけて、新作お待ちしています。
(豆ヒヨコ、女性、36歳、OL)

アメリカだって同じですよ。僕はボストンにわりに長く住んでいましたが、人々の話すことといえば、ボストン・レッドソックスのことばかりです。勝った試合の翌日はみんな機嫌が良いし、負けた明くる日はかりかりしています。新聞は活躍した選手を褒め称え、失敗した選手を罵倒しています。夜のスポーツバーはテレビで試合を見る人たちで賑やかに盛り上がっています。道を行く人々はほとんどみんなレッドソックスのキャップをかぶっています。広島とほとんど同じことです。そうやってみんなでひとつの共通項を持つことによって、コミュニティーが健康に維持されているみたいです。そういう共通項が持てるというのは、多くの広島市民にとって喜ばしいことなのでしょうね。熱心なカープ・ファンではないあなたにとっては、おそらくただ暑苦しいだけでしょうが。

彼らは東京に行ったらジャイアンツ・ファンになるのか? いいえ、そんなことはないと思いますよ。神宮球場の広島戦にはたくさんの(時としてスワローズ・ファンを上回る数の)カープ・ファンが押し寄せますし、その多くは広島県出身者であるはずです。

村上春樹拝