有名な児童書を読んでいなくて恥ずかしい

私は、学校の図書館で司書をしているものです。幼い頃からの本好きが高じてこの職業につき、とても充実した毎日を送っています。
そんな私の悩みは、誰もが子どもの頃に読んでいる有名な児童書でいまだに読んでない本がたくさんあることです。別にすべての本を読んでいるべきとは思いませんが、皆が知っているような本をいまだに読んでない自分が恥ずかしくてたまりません。読んでいないことを人に話すこともできません。何となく誤魔化してしまいます。新刊は次から次に出るのでそれを追いかけるだけで大変なのです。古い作品に手を伸ばしている暇がなくて。
こういうことはどう思われますか? 
開けっ広げに読んでないことを公表されますか? 
私は、え、読んでないの? という目で見られるのが怖くて言えません。
読んでいないのは恥ずかしいことでしょうか? 申し訳ないことに村上さんのご本にも読んでいない本がたくさんあります。すみません。
読みたくて買ったたくさんの本が積まれているのも、まるでコレクターみたいでいやなものです。
村上さんのお考えをお聞きしてみたく、ご質問させていただきました。
(あんず、女性、49歳、学校司書)

僕が読んでいない有名な本はいっぱいありますし、僕はそういうものは、はっきり「読んでいない」と公言しています。課題図書みたいなものを別にすれば、読書というのは基本的に自由なものですし、自由なものであるべきです。少ない数の本を何度も丁寧に読み返す人もいれば、新刊のベストセラーを読みまくる人もいます。人それぞれです。自分のスタイルを守って本を読んでいけばよいのではないでしょうか。何も恥じることはありませんよ。

村上春樹拝