超マイナー楽器、ヴィブラフォンの話

初めまして。こんにちは。
趣味でヴィブラフォンを弾いています。ヴィブラフォンってほとんどジャズとともに生まれて発展した楽器で、ジャズ以外では表に出ることがほぼないのですが、そのジャズ界でもメジャーじゃないですね。世間的には超マイナーな楽器というか、知らない人の方が多いので珍しがられますが、知らない人に説明するのはとても面倒くさいです。
私は1970年代からジャズと楽器を始めたのでゲーリー・バートンが好きなんですが、日本ではチック・コリアとのデュオとか小曽根真の師匠とかで名が売れたような感じで、海外ほどには評価されていないような気がします。
ジャズファンでも、ハンプトンとかミルト・ジャクソンのようなスタイルでないとジャズじゃないみたいなこと言う人がいたりして困ります、といってもプロじゃないんで困ることはないんですが。
村上さんはスタン・ゲッツがお好きとお見受けしましたが、バートンもゲッツ・バンドにいて大きな影響を受けたそうですね。何年か前に当時の未発売録音が発売されてますけど、お聞きになられたでしょうか。Nobody Else But Meというアルバムです。
村上さんの作品は小説も好きですけど、ドキュメンタリータッチの旅行記がとても好きです。旅行記の新作が予定されているとのことですね。とても楽しみにしています。
(珍獣vibes、男性、62歳、嘱託)

ゲイリー・バートン、僕も好きです。ボストンに住んでいるとき、よくジャズクラブで彼の演奏を聴きました。小曽根真さんがピアノを弾いていました。彼が在籍していた当時のスタン・ゲッツのレコードでは、ライブ盤の『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー』がいちばん好きです。バートンのサウンドとフレージングがゲッツの音色と微妙にあわず、その「あわなさ」がすごく新鮮でいいんですね。ゲッツもそこから刺激を受けて、しっかり「受けて立っている」ように感じられます。高校時代の僕の愛聴盤でした。Nobody Else But Meももちろん持っています。ゲッツはヴァイブ奏者では、カル・ジェイダーやテリー・ギブズとも共演していますね。

テリー・ギブズがミルト・ジャクソンのヴァイブの黒鍵部分だけを、いたずらで半音階ずらしておいたら、ミルトは何ということもなくその楽器で素晴らしいアドリブ演奏をして、涼しい顔で帰って行ったという逸話を読みました。昔の人はひどいいたずらをしてたんですね。

ヴァイブって持ち運びが大変なんですよね。重いしかさばるし。僕もジャズクラブみたいなのを経営していたので、よく知っています。うちの店ではときどき初山博さんが演奏していました。

村上春樹拝