翻訳小説の読み方が未熟です

村上さん、こんにちは。

村上さんに影響を受け、翻訳ものも読むようになりました。
でも私の読み方はいつまでも未熟なのです。どうしてもストーリー展開を追う方に力が入ってしまうので、「魅力的な文体」なんて味わうことなく、気持ちは先へ先へと進もうとしてしまいます。
例えば、『フラニーとズーイ』は気持ちが入っていけなかったですね。話の展開が遅いですし、正直、細かい情景描写も途中からは退屈になってしまいました。
かといって『高い窓』は、次どうなるかを知りたくて知りたくて、どんどん読み進み過ぎてしまいます。チャンドラーの「はっと息を呑むような素敵な文章」も味わっていませんでした。
せっかく読むなら、作家ごとの味わいをかみしめてみなければもったいないとは思っています。
こんな未熟者に何かアドバイスをお願いします。
(Peace、男性、52歳、会社員)

僕は思うんですが、本にはゆっくり読むべき本と、すらすら読めば良い本があります。『フラニーとズーイ』はあきらかにゆっくり読むべき本です。文章はとても緻密に、とても企み深く書かれています。その企みを見届けながら読んでいくことが大事になります。チャンドラーはすらすら読んでいけばいいと思いますよ。ただもう一度読み返すと、いろんな新しい発見があると思います。いろいろと研究してみてください。

村上春樹拝