無意識の世界に触れるためのチカラ

以前、新聞のインタビューかなんかで、「無意識に下りて行く技術を身につけ、そのようにして物語を書いている」といったことをお話されていたと記憶しています。どういった方法で無意識の世界に触れていらっしゃるのか、教えていただけたら幸甚です。
(ぴーすけ、男性、44歳、会社員)

こればかりは「こうすればいいんですよ」と教えることができません。簡単にいえば、意識を集中して物語を語り、語りながら一種のトランス状態に入っていくということになると思います。長距離走者が経験するランナーズハイに少し似ているかもしれません。小説を書くには、そのようなトランス状態をある程度自由に作り出す心的能力と、そこで見たものを素早く文章に換えていく技術力(デッサン力)とが必要とされます。もちろんこれは「僕の場合は」ということであって、他の人にはあてはまらないかもしれませんが。

村上春樹拝