空から魚が降ってきた

こんにちは! 
毎日読者の皆さんからのメールで目が疲れてないですか? 
毎日楽しくすべての回答一覧を拝読してます! 
見ているうちに私も沢山村上さんに聞いてほしいことが出て来てしまいました。

私は35歳なのですが、高校生のときのことで今でも不思議に思ってることがあります。
体育の時間に空から数匹の魚が降ってきたんです。活きはよくなかったと思います。なぜならピチピチしてたイメージが無いからです。

私は一人ポカンとしていたのですが、体育の先生があまりにも自然にさっさと魚をほうきではいてちりとり的なものにとって、そのあと「やれやれ」みたいなことを言って終わりにしてしまったので、驚きそびれてしまいました。

こういうことってたまにあるのかな? と思っていたのですが、あれから倍ほど生きましたがその後一度もそんなことはありませんでした。

村上さんはそんな経験ありますか? 
(しばる、女性、35歳、薬剤師)

へえ、そんなことを体験されたんだ。僕にはそんな体験はありません。すごいですね。しかし体育の先生が何事もなかったように、ほうきでささっと掃いてしまうというのもすごいなあ。いったいどこのお話なのでしょう? 

ただ、空から魚が降ってきた、あるいはカエルが降ってきた、というような話は世界中でこれまでに何度も報告されています。聖書にもそのような話は登場します。原因はわかりませんが、そういうことは実際にあちこちで起こっているようです。映画「マグノリア」の最後にもカエルがいっぱい降ってくるシーンがありますが、これは完全に聖書のイメージを踏まえたものだと思います。一種の終末的なものとして。僕が『海辺のカフカ』で魚の降ってくるシーンを書いたのは、この映画が公開されたのとほとんど同じ頃だったんですが、書いたあとで映画を見てびっくりしました。「え、同じじゃないか」と。でも僕は昔から、魚が降ってくる話を一度書きたいと思っていたんです。蜷川幸雄さんが演出した舞台の「海辺のカフカ」でもこのシーンは圧巻でした。

村上春樹拝