「死ぬときに痛い」のが死ぬほど怖い

村上さんこんにちは。以前、肯定するペンギンの話を送って、否定する犬のお返事をいただいた者ですが、今回は暗めの質問です。
私は普段は普通に生活しているのですが、時折自分が死ぬことがすごく怖くなるのです。自分自身の存在がなくなるのは、まぁいいんですけど、その過程で死ぬほど痛い思いをするかもしれないと思うと怖いのです。
眠るように気持ちよく死ねる薬があって、いつでも好きな時に服用できればいいなぁと思っています。
村上さんは、自分が死ぬことについてどう思いますか? 
また、どんな死に方をしたいですか? 
辛気臭い話でごめんなさい。
(肯定ペンギン、男性、50歳、公務員)

なんでも否定する犬は「ちゃうちゃう」でしたよね。はい、あまりにもくだらない回答だったので、よく覚えています(笑)。

そうですね、痛いのっていやですよね。僕もいやです。できるだけ痛くない死に方がいいですね。でもこの前僕が読んだ『死刑執行人――残された日記と、その真相』(柏書房)を読むと、「こういう死に方だけはしたくないな」という死に方がいっぱい紹介されていて、気持ちが少し楽になります。まさかいくらなんでも、こんな死に方はしないだろうと思って。焼け火箸で身体中をつままれたあと車裂きの刑に処されるとか、舌を抜かれてから火あぶりにされるとか。あなたも「これよりはまだましだ」と思われる死に方のストックをされておくといいと思います。あくまで気休めですが。

村上春樹拝