教科書に載った村上作品の扱い方

村上さん、初めまして。いつの間にか村上さんの作品が好きになり、気がつけばあれこれ読み返しています。

わたしは高校の国語教員をしています。現在、いくつもの教科書に村上さんの短編やエッセイが収められていますよね。しかし私には、授業という空間(そこではしばしば意味や答えが必要とされます)で村上さんと生徒たちとの良き媒介となれる自信がなく、なかなかそれらを扱えずにおります(でも、村上さんの小説を目に付くところに並べて、生徒が自由に読めるようにしています!)。

村上さんは、御自分の作品が教科書に載ることを、どのように感じておられますか? こんな風に読まれたら心外だ! とか、ありますか? よろしければお聞かせください。
(インコ、女性、27歳、教員)

僕自身は「あとは野となれ」という感じで、教科書掲載に許可を与えております。僕は知らない、責任は持てない、あとのことは好きにしてください、というスタンスです。ですからすみませんが、あとをどうするかは、現場で考えてみてください。自分が書いたものが教室でどう教えられるかなんて、うまく考えられないですよね。

アメリカの大学で、僕の作品が教材として使われていることが多く、よくクラスに出向いて学生たちといろんな話をしました。僕がなにかの質問に答えると、「それって、うちの先生と解釈がぜんぜん違いますけど」みたいなことになって、けっこう慌てます。先生と僕とで解釈が違うと問題ですよね。困っちゃいます。

村上春樹拝