その時の衝撃ときたら!

思えば遠く25年前。中学のときの国語の先生がムラカミさんを熱烈に信奉しておられ、授業中にしばしば熱くそのおもしろさを、その世界観の魅力を語っておられました。
当時一大ブームだったのが、『ノルウェイの森』。読んでみたくて仕方なかったけど、高校受験が終わるまではと、本棚の『ノルウェイの森』をにらみながら我慢を重ね、やっと読み始めたのが、高校受験の筆記試験の翌日の、面接試験の順番待ちの教室内でした。
その時の衝撃ときたら! 
いっぱしの文学少女だった私の、初めて触れる未知の日本語。こんな世界があるんだと、体の中を風がざわめいて吹き荒れるような感覚。その時の教室の匂いや、受験生たちのしんとした気配までも、ありありと記憶に残っています。
面接の緊張も吹き飛んだおかげで、無事合格しましたが、「高校生」になる前に、あの日にはっきり大人の階段を一段登ったのだと思います。
あれから四半世紀。進学や就職や転職や、なかなかうまくいかない結婚生活や、それに伴なう幾度もの引っ越し(北海道から九州まで!)がありましたが、私の本棚にはずっと、ムラカミさんの全作品が並んでいます。ジョン・アーヴィングや、フィッツジェラルドや、レイモンド・カーヴァーや、もちろんカラ兄も並んでいます。
私にとって本当に、特別な特別な作家であるムラカミさんに、こうしてメッセージを伝えられるチャンスに巡り会えたことを、感謝します。
あの日の衝撃を、ありがとうございます。どうかいつまでもお元気で。新作をいつも楽しみにしています! 

PS
私はセクシーランジェリー大好きで、フル活用してますよ(笑)使い方……それはもういろいろあるのに。
(猫もいいけど犬派かな、女性、41歳、ホテル勤務)

僕の本を読んだショックで緊張が吹き飛んで、高校受験の面接がうまくいったんだ。よかったですね。何かのお役に立てて、僕としてもほっとしています。でも学校の先生が僕のファンで、あなたの場合のように、生徒に熱心に薦めてくれるというケースがけっこう多いみたいです。全国の先生に感謝しなくてはならないのかもしれません。これからも僕の本を読んでくださるとすごく嬉しいです。セクシーランジェリー、フル活用してくださいね(そういえばたしか、そういうものの使い方がよくわからないという方からのメールがありましたよね)。

村上春樹拝