意識と無意識を隔てる扉を開いて

こんにちは。村上さんの作品をほとんど読んでいるファンです。
村上さんの小説には、精神を病んでいる人物が多く描かれているような気がします。
そのような登場人物を描かれる動機などはあるのでしょうか? 
私自身、双極性障害(躁うつ病)を患っております。
自分の心のアップダウンに絶望する時があります。
恐縮ですが、何か精神障害者一般(あまりにも多様ですが)の悩みを解決する見解などがあれば、教えて頂きたいです。
(多門丸、男性、37歳、無職)

僕は小説家として、自分の無意識の中に「降りていく」作業に携わっています。言うなれば、意識と無意識を隔てた扉を開けて、「この世界ではない別の世界」に入っていきます。そしてこちらに戻ってきます。そういう作業には往々にして、精神を病んでおられる方のsymptom(徴候)に近い要素が含まれているようです。ごく簡単に言ってしまえば、自由にその扉の開け閉めを出来るのが作家であり、自由にはそれが出来なくなったときに、それが病理と呼ばれるのではないかと、個人的には考えています(あくまで私見ですが)。

おつらいでしょうが、一日も早く回復されることを祈っております。

村上春樹拝