一杯500円のコーヒーの至福と罪悪感

初めまして村上さん、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか? 
いきなりですが私の月給は約20万円です。私は実家暮らしで4人家族ですが、訳あって私の月給から家賃と食費を少し払い、毎月手元に残るのは2万円以下です。2万円も残ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、一応こう見えても(見えてませんが)年頃の女の子ですので、お化粧品等で財布の紐が緩んでしまいます。
そんな私のささやかな楽しみといえば、コーヒーの匂いが漂うお洒落なカフェで『海辺のカフカ』や『村上朝日堂』など、大好きな村上さんの本を読む事です♪
悩みはココからですが、ソコのカフェはコーヒーが500円程です。私はその500円のコーヒーを飲む事にとても罪悪感を感じてしまいます。理由は分からないのですが、この矛盾した気持ちに時々辛くなります。しかしかなり美味しいコーヒーなのでやめられそうにもありません。私はこの罪悪感と墓場まで付き合うべきでしょうか? 何でも質問屋の村上さん、よろしくお願いします。ハグ。
(床屋のひげ剃り、女性、25歳、アルバイト)

そうですね。たしかに自由になるお金が月に二万円では、化粧品とか服とか買うのはけっこうきついですよね。一杯500円のコーヒーも厳しいかもしれません。でも気持ちよいカフェで本をゆっくり読むのって、何ものにもかえがたい喜びです。それは僕にもよくわかります。僕と一緒だと、コーヒー代くらいもちろん出してあげるんだけど(ケーキをつけてあげてもいい)、でも僕と一緒だときっと緊張して本なんて読めないですよね。だとしたら、ここはもう、その罪悪感と墓場までつきあっていくしかないですよ。読書を心ゆくまで楽しんでください。いつも僕の本を読んでくれてありがとう。

村上春樹拝