好きなものを追求するのに必要なこと

最近、今まで自分が好きだと思っていたことすべてが、ただ「好きなつもり」になっていただけのような気がしてきて、自然に生じる好きという感情がよくわからなくなってしまいました。

好きなことについて語っている村上さんの言葉を読んでいると、うまく言えませんが、私には今まで経験したことがない、そしてこれから先もそこまでの気持ちに出会えるなんて到底思えないほどの豊かさと強さがあるなって思います。
村上さんのように、好きなものを一生懸命好きになって、ひとりでどんどん楽しくできちゃうってすごく素敵で憧れちゃいます。

「好き」という気持ちに確信をもって生きるって、とてつもない勇気とエネルギーが必要なように私には感じてしまうんですが、村上さんはどうお考えですか? 
(ふらっと、女性、28歳、フリーター)

そうですか。僕はただ自分の好きなものを、好きなものとして単純に追求してきただけで、そこに何かしら特別なものがあるという風には考えたこともありませんでした。ただもともとが凝り性なもので、好きなものにはついつい夢中になってしまう傾向はあります。つまりそれ以外の他のものがあまり目に入らなくなるということです。生まれつきの性格みたいなものだと思います。

でもね、結局のところ、すべては積み重ねです。飽きないで、同じひとつのことを長年にわたって好きでいつづければ、そこにはそれなりの哲学のようなものがいやでも生まれてきます。あなたもがんばって、何かひとつ夢中になれることを見つけてください。そうすれば人生がきっと豊かになります。

村上春樹拝