映画「逢びき」を見てください

村上さん、相談があります。
私は優しい夫と男女の小学生の子供がいる主婦です。
最近、素敵な男性と話す機会があり、とてもときめきました。そんなにときめいたのは、結婚して以来、本当に久しぶりで、忘れていた感覚でした。
その男性とどうこうなりたいわけではないのですが、これから、年齢を重ねると、こちらがいくらときめいても、素敵な男性がじっと目をみつめてくれたり、髪を撫でてくれたり、女性として意識され、可愛がってもらうようなことは起こらなくなっていくんだ、と思うとたまらない気持ちになります。この希望の薄さにどうやって折り合いをつけていけばよいのでしょうか? 愛する家族がいるのに、贅沢な悩みでしょうか? 
(アヂノ、女性、38歳、主婦)

そういうのってとてもとても自然な感情です。素敵な男の人を前にすると、すごく胸がわくわくするでしょう。当然です。それに比べて今の環境は……。困りますよね。

デヴィッド・リーン監督の「逢びき」っていう映画を見たことがありますか? 素晴らしい映画です。是非一度見てください。その映画に出てくる女性の気持ちが、あなたにはきっとよく理解できると思いますよ。見ている方もついつい困ってしまいます。音楽がとても美しいです。

村上春樹拝