吹奏楽をやっている高校生より

他人の存在について。
僕はいま高校生で、一般の吹奏楽団に所属しています。つまり、僕の周りには高校の友達、中学の友達、楽団の大人の人たち……といったように色々な人がいます。ぼくは近頃、たくさんの種類(?)の人がいるということに、ひどく混乱しています。どういうことかというと、それぞれの場所で自分の存在の形や大きさが異なるということで、自分という存在がどうあるべきなのか分からなくなってしまったのです。村上さんはこのような経験はありますか? なにかいいアドバイスをいただけると嬉しいです。
ちなみに、前に付き合っていた女の子とは村上さんの本のおかげで仲良くなれました。ありがとうございました。ひどい別れ方をしましたが。
(希望蟻、男性、16歳、学生)

そんな風に混乱するのはとても良いことです。僕はそう思いますよ。同じ場所にいて、同じような人とばかり会っていると、頭の仕組みが固まってしまいます。違う場所に行って、違う人々に会って、脳に揺さぶりをかけるというのは、とても大事なことなんです。そうすることで頭が柔らかくなり、いろんな新しい可能性が生まれてきます。少し混乱はあるかもしれませんが、でもきっとそのうちにだんだん落ち着いてきます。大丈夫。心配することはありません。

ひどい別れ方をしたって、どんな別れ方をしたんだろう? 僕のせいじゃないといいんだけど。

村上春樹拝