男が抱く「孤独の予感」

以前、彼女のいない男友達の前で『女のいない男たち』を読んでいたら、「なんだそれは、当てつけか」と怒られてしまいました。
でも、たしかに僕には彼女がいますが、精神的にはずっと『女のいない男たち』なんです。この感じ、村上さんならわかってくださるのではないでしょうか? 
(***、男性、24歳、会社員)

そうですね。たとえ彼女がいても妻がいても、男というのはいつも基本的に「女のいない男たち」なんだという気がします。自分がどこに繋がっているのか、誰に繋がっているのか、しばしば確信が持てなくなります。それは(あくまで僕の感触によればですが)女性が一般的に男女関係に対して感じている感じ方とは、少し違っているかもしれません。いつ自分が夜の海に一人で放り出されるかもしれないという、孤独の予感のようなものを男はいつも抱いています。というか、そんな風に僕は感じてしまいます。それはあなたが感じていることとだいたい同じでしょうか? 

村上春樹拝