「後悔メール」を出さないための方法

私はいつも、手紙をポストに投函した瞬間に「あっ、しまった! あんな事書いてしまった。送らなければよかった」と後悔します。
電子メールも同じです。送信ボタンをクリックしたその直後に「しまった! 僕はなんて馬鹿馬鹿しい恥ずかしい事を書いてしまったんだ」と取り消したくなります。
だから、いわゆる最近のブログやらツイッターなどのSNSはいっさいやりません。それこそ後悔しても取り消せませんから。
村上さんは小説やエッセイなどの「おおやけの人々への手紙」を書かれています。
私が感じるような後悔をしたりしませんか? 
また、その様な後悔とどの様に付き合っているのでしょうか? 
この手紙も送信した瞬間に後悔するんだと思います。
えいやっ!  
カチッ。
(クライフ、男性、43歳)

僕はプロの物書きとして、おおよそ35年生活しております。そのあいだに失敗は数え切れないほどあります。頭を抱えたくなるようなこともありました。でもおかげでとても用心深くなり、何度も何度も自分で細かくチェックし、周りの人や編集者にもチェックしてもらうクセがつきました。とにかくメールは、書いてから出すまでにできるだけ時間をかけること。これは大事ですよ。もちろん急ぎの事務的なメールならそんなことをする必要はありませんが、個人的なメールであれば、少しでも長く寝かせた方がいいです。もうひとつ、お酒を飲んで文章を書かないこと。これは往々にして致命的な結果をもたらします。

村上春樹拝