もっと努力か、もっと遊ぶか

わたしは長年同じ会社に勤めて、まじめに仕事をしていますが、なかなか昇進できず万年主任ですごしています。村上さんは会社勤めはされていないのでピンとこないかもしれませんが、一生懸命練習をしても記録がのびず、後ろのほうを走っているランナーのような存在といえばわかっていただけますか。もっと努力をしてあきらめずに仕事をするのか、仕事は仕事と割り切って有休をたくさんとって、もっと遊んだほうがよいのか。どちらがよいのでしょうか。
(ちゃっくのりすけ、男性、50歳、会社員)

僕だったら考えるまでもなく、会社では適当に、不足はないというくらいの仕事をして、会社以外で好きなことをする道を選びますが、あなたはもちろん僕ではありませんから、簡単に無責任なことは申し上げられません。しかしランニングにたとえるなら、もともとランニングに向いていない人だっています。もともと向いてないのなら、無理してがんばるだけ消耗です。走るのが向いていないのなら、歩けばいい。もう五十歳であれば、社会に対するいちおうの責任は果たされたと思いますし、そろそろ自分に向いたこと、適したことを追究する方に向かわれた方がよろしいのではないかと、僕は愚考しますが。

村上春樹拝