春樹さんの言葉と歩む人生

初めてお便り差し上げます。
中学生で春樹さんの小説に出会い、ずっと大切に読んでいます。
振り返れば、とても多感な10~20代をなんとかくぐりぬけ、30歳から走ることを始め、マラソン大会で出会った人と結婚し、今は子育て真っ最中です。その時々で、春樹さんの小説やエッセイの言葉に心が温められました。
たくさんあるのですが、特別に心にとどまっている言葉は、“ゆっくり歩け。そしていっぱい水を飲め”です。今は40歳を迎え、“1自分に甘えない 2でもかりかりしない 3そして大きく出ない”を心にとめてなるべくていねいに歳を重ねたいと思っています。
春樹さんの新しい本を手にとることは私の大確幸! です。健康がまもられますように。春樹さんと同じ時代を生きることができてしあわせです。
(さっこ、女性、40歳、無職)

走ることを通して、今のご主人と巡り会えたんだ。よかったですね。「ゆっくり歩け。そしていっぱい水を飲め」。たしか『アフターダーク』に出てきた言葉ですよね。どんなシチュエーションで出てきたのか、よく思い出せませんが。僕がつくった言葉ですが、でもほんとうにそうだと思います。ゆっくり歩いて、たくさん水を飲んでいれば、それほど悪いことは起こらないような気がします。健康のためには早く歩いた方がいいんですけど、まあ走っているなら、歩くときくらいゆっくり歩いてもいいですよね。子育てに励んでください。これからも僕の本を読んでくださると嬉しいです。

村上春樹拝

(管理人註)『1973年のピンボール』では「ねえ、誰かが言ったよ。ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね。」とジェイが語り、『アフターダーク』では「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」が高橋の人生のモットーとして出てきます。