妊娠するとなぜか読みたくなる

村上さんこんにちは。学生時代から愛読しています。私は人生の中で二度、妊娠、出産を経験しました。二度ともつわりがきつく、特に最初の子のときは、臨月までほとんど寝込んでいるような状態でした。水を飲んでも吐いてしまうような状態の数ヶ月間、私はどうしても『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が読みたくて読みたくて、何度も読み返していました。他の作品はまったく読みたいという気持ちになれず、ただひたすら『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』だけを読んでいたのです。図書館の女の子と最後に食事をするところなんか、今でも暗唱できると思います。
そんな生活は出産とともに終わったのですが、3年経って下の子を妊娠したとたん、また『世界の~』が読みたくなったのです。結局二度目の妊娠生活もまたこの本とともにありましたが、18年前に次女を産んでからは一度もこの本を手に取ることはありませんでした。どういうわけだか、私の中ではこの本は「妊娠中に読みたくなる本」なのです。
村上さんありがとうございました。私はこの本のおかげで、つわりの苦しみを紛らすことができました。機会があればぜひお礼をいいたかったんです。このサイトに感謝します。
(ピンクのやみくろん、女性、51歳、主婦)

はあ、そうなんですか。それで『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は胎教的にはどうだったのでしょう? 妊娠中に僕の本を読むことが胎教に良いのか悪いのか、いろいろと話題になっております。お嬢さん二人はどのように成長されたのでしょうか? 問題も起こさずに、やみくろにもさらわれずに、すくすくと無事に育たれたのでしょうか? 報告が待たれます。

村上春樹拝