あまり一緒にいない方がいい?

前から疑問に思っているのですが、色々な文学賞や新人賞の選考委員はみな小説家ばかりですね。どうして批評家が入っていないのでしょうか。だって批評家は小説を批評するのが専門なわけで、批評家が選考委員になってもおかしくないはずです。もしかすると、文芸批評家と小説家が一堂に会すると(あまり大きな声で言えませんが)やはり険悪な雰囲気になるからでしょうか。
(ばらばら、女性、73歳、無職)

二通続けて同じ方からの質問ですが、まあついでだからやっちゃいます。年上の方からメールが来ることはあまりありませんので。

批評家が選考委員に入っている文学賞もたしかどこかにあったと思うんですが、僕はその手の事情にあまり詳しくないので、具体的なことはちょっと思い出せません。でもまあ、選考委員ってほとんどが作家ですよね。どうしてだろう? たぶん「そういう伝統になっている」というだけのことだと思うんですが。批評家と作家が一緒になると、険悪な雰囲気になるか? それはもうまったく個別的なことですね。仲の良い作家と批評家もいれば、犬猿の仲の人もいるでしょう。でもまあ……そうですね、お互いの健康管理のために、あまり一緒にしない方がいいかもしれません(笑)。

僕は文学賞の選考委員ってやったことないんです。ときどき声はかかりますが、いつもお断りしています。そのいちばんの理由は、僕の小説観ってかなりバイアスがかかっているもので、他人の小説に関してあまり公正な判断はできそうにないということです。正直なところ、自分の小説を書くだけで精一杯です。まあいろいろと異論はあるでしょうが、とりあえず。

村上春樹拝