なんと、屋根まで吹き飛んだ!

村上さんの小説や意見に関係ないことですが、私が聞いた話で一番おかしかった話を紹介します。
「シャボン玉飛んだ、屋根まで飛んだ」っていう歌があるでしょう。これを私の知人は、
「シャボン玉飛んだ」これはそのままの意味、
「屋根まで飛んだ」屋根がシャボン玉と同じように飛んでいった、
「屋根まで飛んで、こわれて消えた」屋根までが飛んでいったけど壊れて消えた、
それなのに、「かーぜ、かーぜ、吹くな、シャボン玉飛ばそ」とは何ごとだ、
と思っていたそうです。あんまりおかしいので、そういう可笑しい解釈をした話がまだあるかと知人に聞いたら、あるけれど、それを言うと私の知性が疑われる」と教えてくれませんでした。
(ばらばら、女性、73歳、無職)

なるほどね。シャボン玉と一緒に、屋根まで空に飛んじゃったんだ。それは大変ですね。おまけに空中でどかんと爆発までしてしまった。もし猫が屋根の上で昼寝していたら、たいへんな災難でした。しかしなんで屋根まで飛んでしまわなくてはならないのか、理由がよくわからないですよね。なんでもない歌が急にシュールなファンタジーになってしまいます。子供って理屈でものを考えないから、楽しいですよね。理屈でものを考えると、世界はつまらないです。といっても、あなたのお友だちは大人になってもまだそう思い込んでいたのでしょうか? もしそうだとしたら、たしかにちょっと変わった方かもしれませんね。

村上春樹拝