誰も責任を取らないのは、なぜ?

村上さんは、『ねじまき鳥クロニクル』でノモンハン事件を取り上げ、当時の軍部や官僚組織の無責任な対応を、物語の力で痛烈に批判されましたが、戦後も同じようなことが日本中のいたるところで起きていますよね。バブルの発生も、不用意な収束を図ったことによるクラッシュも当時の大蔵省によるものですが、そのせいでいったい何人の日本人が経済的に行き詰まり自殺したことでしょう。民主党政権下での官僚のサボタージュも目に余るものがありましたし、昨年末の消費税増税の延期を潰そうとした財務省の動きも、経済の実態や国民の生活を無視した、いかにもお上然としたやり口でした。そのせいで安倍総理は年末に衆議院解散・総選挙までしなくてはならなくなった。誰も責任を取らないというのは役人だけでなく、企業を含めどのような組織においてもいくらでもあって、日本人の病弊のようですが、いったいどうすればまともになるのか。村上さんはどのように思われますか? 
(ykandori、男性、49歳、無職)

そうですよね。いろいろと腹の立つことはあります。福島の原発事故であれだけの人々が故郷を追われ、生活を無茶苦茶にされて、その責任は誰がとったんだというと、誰も取ってないんです。じゃあ誰にも責任はないのか? ということになります。前にもどこかで書きましたが、「津波だけが悪いんだ」みたいなことにだけはしたくない。でもなんだかそうなっちゃいそうな雲行きです。どうすればいいんでしょうね、ほんとに。

村上春樹拝