編集者のことを教えてください

作家にとっての編集者とはどんな存在ですか? 
漫才でいうところのツッコミのような存在なのでしょうか。
また編集者なしに長編小説を仕上げることは可能だとお考えですか? 
(用水路、男性、38歳、失業中)

こればかりは人それぞれに違います。編集者なしでは書けないという人もいますし、編集者なんかべつにいらないという人もいます。作家と編集者とのあいだにも力関係みたいなものがあります。でも一般的なケースでいえば、若い作家は編集者の意見を聞きながら、それを参考にして作品を書きなおしていくことが多いようです。激励されたり、慰めあったり、喜びあったり。でもだんだん年をとってくると、編集者よりは作家の方が年上になってきますし、作家としての腕もそれなりにレベルアップしています。だから編集者が口をはさむこともだんだん少なくなってきます。これはまあ仕方のない成り行きで、あとは作家が自分で判断してやっていくしかありません。

僕の個人的な好みでいうと、プラクティカルにきちんとした編集者がありがたいですね。僕はあまり事務的に整った人間ではないので、そういう人がいるととても助かります。それから編集者というのは、会社と作家のあいだに立って働くものなんですが、あまり会社寄りになられると、ちょっと困ります。まあ編集者もサラリーマンなので、いろいろとつらい立場なのでしょうが、作家にしてみれば「こっちについてくれよな」と思いたくなるものなんです。ということでよろしいでしょうか。

村上春樹拝