リアリズムの長編小説はもう書かない?

村上さんはじめまして。以前どこかで読んだのですが。『ノルウェイの森』を書いてリアリズムの小説はこれきりにすると言われていたと記憶します。
その理由について詳しくは触れておられなかったようです。
僕は結構『ノルウェイの森』的な小説が好きです。
ここで質問ですが。
もしよろしければ教えてください。
リアリズムの手法による長編小説は二度と書かないのでしょうか? 
もしイエスであれば、その理由はなぜなんでしょうか? 
立ち入ったことですみません! 
(6135、男性、68歳、自由業)

僕は短編小説に関しては、いわゆる「リアリズム」の小説をちょくちょく書いていると思います。でも長編小説になると、僕の考える「リアリズム」(つまり僕にとってリアルである世界)は、いわゆる世間的な「リアリズム」からどんどん逸れていく傾向があります。これは僕にもどうしようもないことなのです。なにしろそちらの方が、僕にとってはよりリアルな、より切実な世界ですので。申し訳ありませんが、ご理解ください。

村上春樹拝