村上作品を好きな人と嫌いな人

春樹さん初めまして。ながらく春樹さんの本を読ませていただいてます。いつもありがとう。
さて質問です。春樹さんの作品はとても賛否がわかれていますね。
春樹さんご自身では、春樹さんの作品を好きな人と嫌いな人とで、どんな違いがあるとお考えですか? 
どんな人が好んで、どんな人が好まないのか? そのラインが気になります。
ぜひ春樹さんの意見が聞きたいです。
読んでくれてありがとう。
(空港、男性、36歳、ストッカー)

「村上の小説はまだ読んだことがない」という人は、僕のまわりにたくさんいます。僕の小説に対してむしろ批判的な人々とも、普通に日常的にうまくやっています。小説の好みくらいとくになんということはありません。「あなたの小説はあまり評価しないけど、あなたは良い人だと思う」と言われたこともあります。僕の小説を好きな人と、嫌いな人との境界線? 考えたこともありませんし、たぶんそんな境界線はないと思います。

僕はあまり一般的とはいえない種類の小説を書いていますので、作品に関してある程度好き嫌いがあるのは当然のことだと考えています。僕の小説を誰が好きで、誰が嫌いだというようなことには、正直なところあまり関心がありません。好きだと言われれば「ありがとうございます」と頭を下げますし、嫌いだと言われれば「それはどうもすみません」と言います。で、あとは自分の好きなことを、好きなようにしています。

村上春樹拝