ハメーンリンナの森を散歩して

フィンランドの都市ハメーンリンナで感じたことをお聞きしたいです。
海外で春樹さんの小説をもれなく読んでいる大ファンです。
3年前からは会社で休みが取れたら、春樹さんの小説の中で舞台となった所を巡礼することが趣味になり、人生の中で一つの楽しみになりました。
最近、行ってきたところはフィンランドのハメーンリンナですが、近郊の森を散歩してみたり、市内を歩いてみたら、小説に描かれたことを自分の体で感じることができて、すごくよかったです。
「行ってみなかったところも想像力を張り巡らせて、小説の舞台とする場合もある」と聞いたんですが、ハメーンリンナも小説を書いた後に訪ねられたんですか? 
もしそうなら、実際に行ってみた時の感想を聞きたいです。
旅から帰ってきて以来、春樹さんの感想が気になって眠れないんで、村上さん、何か一言下さるとうれしいです。
(istandby4u2、女性、27歳、編集者)

ハメーンリンナ。はい、行かずに書きました(笑)。地図だけ見て、適当に書いたんです。小説を書いたあとで(出版される前に)行ってみて、あちこち見てまわったんだけど、想像とだいたい同じだったのでほっとしました。ただ樹木の種類だけは違っていたので、そこは書き直しました。それから僕が想定していた湖沿いの道路がなかったので、その部分も書き直しました。広場のシーンも実際にあわせて少し改変しました。いちばんびっくりしたのは、僕がヘルシンキで借りたレンタカーがたまたま紺色のフォルクスワーゲン・ゴルフだったこと。小説とまったく同じだったんですよね。「え!」っと驚きました。そういうことがあるんだ。不思議です。

村上春樹拝