『1Q84』を読んで清々しく泣きました

春樹さん、こんにちは。

全国の雅美さんから、同じようなメールが来ているのではないかと思うのですが、『1Q84』のBOOK3で、青豆さんの名前が雅美だと知らされたときには、おどろいてドキドキしてしまいました。
登場人物の名前はどのように決めているのですか……というか、なんという名前なのか、どのようにして気づいたり、わかったりされるのでしょうか。

ところで、『1Q84』を読み終わったときは、涙が止まりませんでした。今まで経験したことのないような不思議な感情でした。仕方なく溜めてきてしまった心臓か脳の湿気が水分になって溢れ出たような感じ。愛について壮大なことが書かれていると感じました。あんなに清々しく泣けたのは、必要なときに、必要な言葉に出逢えたからだと思います。
ありがとうございました。
(雅美、女性、40歳、公務員)

『1Q84』は僕がけっこう長い歳月をかけて、全力を傾注して書いた小説なので、そう言っていただけるととても嬉しいです。あの作品を書いているあいだ、僕はほとんどずっとあの世界の中で暮らしていました。天吾くんや青豆さんと実際に生活を共にしていたようなものでした。月も実際に二つありました。あの二人を最後に一緒にさせることができて、僕も本当にほっとしました。

村上春樹拝