善と悪のたたかい

こんにちは、小説を全く読んだことがなかったのですが、周りのみんなが口を揃えて村上さんの本を薦めたのがきっかけで、すっかりハマってしまいました。なので村上さん以外の小説を全く読んだことがありません。ところで、私の質問です。私はこの世の中良くなっていくと思っています。悪くはなりません。なぜかというと、今、善と悪を大人も子供も知り感じることができます。そんな子供が大きくなり、歪んでいたものが少しずつ正されている気がするのです。でも逆に悪も強いです。これを友達に言ったら否定されました。村上さんはどのように感じますか? 貴重な時間の中読んでいただきありがとうございます。回答していただけたらとても嬉しいです。
(seagull、女性、27歳)

不思議なことかもしれませんが、僕の経験から言いますと、どんな時代でも、悪と善の量のバランスというのはほとんど変わりません。善が比較的多い時代とか、悪が比較的多い時代とか、そういうのはありません。だいたいどの時代でも同じです。あなたはがっかりするかもしれませんが、世界というのはそういう風にできているみたいです。でもそれにもかかわらずあなたには、あなたが善であると思うことを真剣に追求する責務があります。だってそうしないと、何かの加減でひょっとして悪が勝ってしまうかもしれないから。僕の言うことがわかりますか? たとえ無駄かもしれないとわかっていても、あなたには善を追求する責務があるのです。考えてみてください。

村上春樹拝