わかりにくい小説と人はいうけれど

春樹さんの書く小説について、「わかりにくい・理解しにくい・何が言いたいのかわからない」といった内容の評価が世間で少なくないことに関して、ご本人としてはどのように受け止めておられますか? 
(shiina、男性、39歳、会社員)

そういう反応があるのはまあ当然だろうと思っています。僕自身、かなりわかりにくい話を書いていると認識していますから。それがこのように世間である程度売れているということの方が、むしろ不思議な気がしちゃいます。僕は読者に「よくわからなくても、けっこうおもろい」と思っていただけるととても嬉しいんです。もちろん「よくわかるけど、それでもおもろい」という方がいいのでしょうが。

いろんなルートから登れる山みたいな小説が書けるといいなと、僕は常々思っています。簡単に登れるルート、中級の登山者のためのルート、それからかなり難度の高い上級者向けのちょっと危険なルートと、同じひとつの山にそういういくつかの選択肢があるといいなと。

村上春樹拝