幻となった丸谷さんからの受賞祝辞

いつ頃かは忘れたのですが、村上龍さんが「ノーベル文学賞候補として(春樹さんが)何年も挙げられていて、そのたびに一応、受賞した場合のコメントを用意しないといけない。それを僕は読む機会があり読んでいるけれど、毎年書いているから、年々、そのコメントが面白くなってるんだよ。今年のなんか、とても面白かった」とか、そんな内容のことを話されていたような記憶があるのですが(「龍言飛語」動画配信だったかな~? 違ってたら、すみません)。

事実とすれば、その面白いコメントが気になったりもします(笑)。
これからも、面白い小説、随筆、その他の文章、楽しみにしています。
(ケイ、女性、42歳、パート)

いろんなところで皆さんになにかとご迷惑をおかけしているようで、僕としても心苦しい限りです。

そういえば、丸谷才一さんが亡くなったとき、お宅に弔問に伺って、息子さんから「実は……」と見せられたものがあります。それは丸谷さんが書かれた、僕のN賞受賞の祝辞の原稿でした。それを書いてから間もなく亡くなられたんです。でも(ご存じのように)僕は受賞しておりませんので、それは幻の祝辞となったわけです。お手間をとらせて、本当に申し訳ないことをしました。ご冥福をお祈りします。

村上春樹拝