目を開けて聴く派? 閉じて聴く派?

阪神・淡路大震災から20年目の日に佐渡裕さん指揮のマーラー「復活」を聴きにいき、大泣きかつ大興奮で帰ってきました。

でも、クラシックを聴きにいくと毎回困る事がひとつあります。
目を閉じると、目をあけているときには聴こえなかった小さな音があちこちから聴こえてきてたくさん発見があります。でも、せっかく目の前で演奏してくれているのだから人の動きも見たいと思い目を開けると、閉じていたときに聴こえていた音はどこかにいってしまうのです。そしてまた目を閉じると、こんどは心地よすぎて眠くもないのに寝てしまうのです。

目を開けたまま、閉じた時と同じだけ音もキャッチできれば感動もさらに倍! と思っているのですが、それは欲張りなのでしょうか? 

いったいどうすればいいんだ。
村上さんは目を開けて聴く派ですか? 閉じて聴く派ですか? 
(フラワーロック、女性、41歳、陶芸家)

僕は目を閉じて、何か考え事をしながら聴いていることが多いですね。気がついたら考え事が頭から消えてしまっていた、というのが理想のかたちです。ただ一度、ウィーンでバルコニー席からウィーンフィルを聴いたことがありまして、そのときは楽器がどんな組み合わせで、どんな風に音をつくっていくのかが、上の方から一目でくっきりと見えたので、魅せられたようにそれに見入っていました。チャイコフスキーでしたが、素晴らしい体験でした。音楽って、ちゃんと目で見えるものなんだと、感心しました。ウィーンフィルの音が極度に素晴らしかったということも、もちろんあります。

村上春樹拝