怒るべきとき、悲しむべきとき

こんにちは、初めてお便りします。

19歳のとき大学の授業で出会って以来、村上さんの作品に対して、それぞれに異なる種類の愛着を持って読んできました。ただ、昨年の『女のいない男たち』(新潮社の本でなくごめんなさい!)、中でも「木野」はとても個人的なものとして読みました。「怒るべきときにうまく怒ったり、悲しむべきときにうまく悲しまなかった」、これまでの自分の人生を振り返るものになったからです。その気づきはかなり辛いものでしたが、村上さんの「物語」を通して、自分なりにメッセージを受け取ったことについては何か少し前進したような思いにもなりました。ありがとうございます。

先日28歳の方が投稿されていましたが、私も今29歳ということで、嬉しいこともしんどいことも何もかもまさにこれからなのだろうと思います。これから起こる物事について、勇気を持って(あるいは自然体で、リラックスして?)向かい合うためにはどんな心構えでいることが大切なのでしょうか? 人生の先輩として、一言だけでもいただけたら幸いです。
(ミーナ、女性、29歳、フリーランスライター)

そうですね、「怒るべきときにうまく怒り、悲しむべきときにうまく悲しむ」ことはけっこう大事ですよ。自分に正直であることはときとしてむずかしいですが、それが多くの場合、最良の策です。前にもどこかで言ったことですが、あなたの人生はあなたにとっての実験室です。しっかりと実験してください。たった一度しか実験はできません。やり直しはききません。前向きに、悔いが残らないように。

村上春樹拝