どこか冷めている自分が嫌い

村上さん、こんにちは。早速ですが質問です。僕はどうしてもアツくなることができません。そのため、若者らしく、みんなで団結している現場にひょんなことから加わることになると表面上は取り繕って盛り上がっているのですが、心のどこかで「バカバカしい」と冷めている自分がいます。こんなひねくれている自分が大嫌いです。どうすれば、情熱的な人間になれるのでしょうか。
(しなちく、男性、19歳、学生)

いいじゃないですか。みんなと一緒に熱く盛り上がれない。陰でこそっと「つまんねえなあ」と思っている。そういう人ってわりに好きです。実を言えば、僕もわりに盛り上がりにくいタイプです。

大学のとき、クラスのみんなと一緒に新宿御苑に出かけたことがあったんだけど、僕はぼんやり考え事をしていて、途中で一人はぐれてしまいました。でも誰も探しにきてくれなかった。待ってもくれなかった。あとで話を聞くと、「村上がいない? しょうがないよ、あいつってそういうタイプだからさ。どうせ退屈して、一人でどこかにふらっと行っちまったんだろう。ほうっておこうぜ。行こ行こ」みたいなことになっていたみたいです。ただはぐれただけなんだけどね。そのグループの中にたしか今のうちの奥さんと、『青春デンデケデケデケ』の芦原すなおくんがいたと思います。みんな冷たいよね。

というわけで、あなたもしっかりクールに生きていってください。お互いがんばろう。

村上春樹拝