一番乗り読者の「ごめんなさい」

まずは謝りたいことを一つ。
以前、近所の書店で村上さんの新刊発売イベントが催され、一番に並んで新刊を手に入れました。僕は単に早く読みたいという気持ちで並んだわけですが、そこで新聞社の方の取材を受けました。「村上作品の良さは? 優れている点は?」という質問に対して、「村上さんの物語が僕の興味を引くというただそれだけで、一言では説明できないし、僕は一読者に過ぎないから、他の作家と比較して優れている点や差異は分かりません」と正直に答えました。(もっと言葉を尽くしたのですけれど)

ただ、実際のところ紙面にはたった一言「村上作品はよく分からないところが魅力」と掲載されたのみでした。紙面の都合上、編集されるのは仕方のないことですが、その掲載文がネット上で非難の対象となってしまっていたようです。「よくわからないのに並んでまで買うなんて馬鹿だ」「村上春樹の読者は気取っている」などの書き込みが見られました。(おせっかいにも同僚がそのことを教えてくれたのです)
このことが、村上さんはじめ読者の方々の名誉を傷つけることになったのであれば、この場を借りて謝ります。ごめんなさい。

後もう一点、村上さんへのお願いがあります。僕にペンネームをつけていただけませんでしょうか。こういうところに書き込む経験がほとんど無いので、いつもペンネーム入力が億劫になってしまいます。
(命名希望、男性、26歳、会社員)

いろいろと大変だったんですね。僕は新聞社のコメント依頼にはいっさい答えないことにしています。あなたと同じような目にあいそうだから。そういうのって、ほんとに不愉快ですよね。たぶんその記者のせいじゃなくて、もっと上のデスクとかが適当に短くしちゃうんでしょうが、だいたいにおいて発言の真意は伝わりません。あなたには何の責任もありません。お気の毒でした。

気の毒なので、コードネームを差し上げましょう。あなたのコードネームは「限定ヒマラヤ弁当」です。きっと気に入らないでしょうが、がんばって耐えてください。

村上春樹拝