評論や研究書は読みません

村上さんの作品についての研究書が、たくさん出版されていますが、ご本人はどう思われていますか? 地域との関わりから音楽にいたるまで、こんなに研究されている現役作家はいないのではないかと思うのですが。そうじゃないんだよなあ、とか静かに反応されているのでしょうか。それとも、全然ご覧にならないとか? 
(ナンモナイト、男性、55歳)

自分の作品について書かれたものを読むのはなんだか気恥ずかしいものです。だからほぼまったく読みません。でも僕に関する本って、世間にずいぶんたくさんあるみたいですね。ときどき書店の棚を見ると驚きます。そんなの読まなくても、僕に訊けば全部教えてあげるのに……と思うこともあります。でもまあ、そういうものでもないのでしょうね。

僕はフィッツジェラルドとかチャンドラーとかカーヴァーとかいった(翻訳などで個人的にコミットしている)作家については、いちおう伝記とか書簡集とかには目を通します。でも一般的に評論や研究書みたいなものはまず読みません。もともとあまりそういう解析的なものに興味がないのかもしれません。


村上春樹拝