リトアニアのアーチストより

始めまして、リナと申します。リトアニア人ですが、しばらく日本で住んでいました。初めて村上様の小説を8年前ぐらい、リトアニアに帰ってから読みました。村上様の小説は絵のようですので、すごく気に入りました。読んでいる時に映画を見ている気がします。それから全部すごく変な話ですので、それも大好きです。それについて質問したいですが、そういうすごく変なストーリーはどういうふうに生まれますか? 夢で見ますか? 私はイラストレーションを描いていますが、たまに突然、夢の中とかシャワーで完成の絵が頭に現れますが、それよりよくは描き始める時にどういうものができるかあまり想像できないことが多いです。描いている途中に変な絵が生まれます。村上様の小説の元はなんですか? 書き始めれば(一文さえ書けば)そのあとは自然に話がながれますか? それとも最初からだいたい話のながれや終わりを知っていますか? ユニコーンの頭骨から夢を読み取るとか、ゾウさんの工場とか……どこからこんな考えられない話を考えますか? 
村上様の小説を読んでいるといつもイラストを描きたくなります。とても霊感を与えています。ありがとうございます! 
(リトアニアのリナ、女性、35歳、アーチスト)

いつも僕の本を読んでいただいてありがとうございます。僕はリトアニアはまだ行ったことがないんです。フィンランドまで行ったから、すぐ近くだったんですけどね。是非一度行きたいと思っています。

そうですね。僕の話ってみんな何か変ですよね。どうしてそんな変なことを思いつくのだろう? 自分でもよくわかりません。でも書いているうちにそうなっちゃうんです。あなたの絵と同じですね。何か変なものが僕の中に住んでいるのかもしれません。ハリガネムシみたいに。それが僕の身体を利用して、変な物語を書かせているのかもしれない。そういう気もちょっとします。

村上春樹拝