トルストイしか読まない偏狭な父

私の父は84歳。偏狭な心の持ち主です。音楽はクラッシックだけ、文学もトルストイほか限られたものしか認めません。私はクラッシック以外にもビートルズや佐野元春など色々聞くし、丸谷才一や村上さんのファンなのですが、彼は聞きも読みもしないで頭から否定します。もう先も長くない父と共通の趣味で心の交流を図りたいのですが、今更彼の考え方を変えるのは難しいでしょう。反論も一切聞き入れないし、これからも私の方が一方的に折れていくしかないのでしょうか? 
(酔いどれ中年、男性、54歳、地方公務員)

お父さんは84歳なのでしょう? もう今のままでそっとしておいてあげればいかがでしょう。今さら新しいものを勧めても。ご本人にとっては迷惑、面倒なだけです。それよりはあなたがお父さんにあわせて、クラシック音楽やトルストイにより深い興味を持たれた方が話が早いと思います。トルストイ、いいですよ。僕なんか『戦争と平和』を三回くらい読みました。登場人物がやたら多くて、名前が覚えにくくて、いろんな爵位の人が出てきて、頭がときどきこんがらがるのが難ですが、面白いです。あれ、なんでここに今回ムイシュキン公爵が出てこないんだろう? ああ、あれはドストエフスキーの方だっけ、なんて思ったりして。

村上春樹拝