正直、小説が嫌いです

はじめまして、こんばんは。
いきなりですが、僕はあまり小説が好きではありません。正直、むしろ嫌いです。

あるとき、友人に、小説の何が良いのかを聞いたら、小説の面白さ、深さ、驚き、感動、そういったものを伝えようとしてくれましたが、理解してあげられませんでした。

あるいは、小説を書く村上さんならば、小説の良さの根源的な意味を教えてくれるのではないかと思って質問を送ってみました。小説って、どんな良さがあるんですか。
教えてください。
(恒、男性、23歳、大学院生)

べつに小説をまったく読まないまま人生を送っても、それでなにか不便があるわけでもありません。読まなくては困る、というものでもないのです。だから面白くないのなら、むりに小説を読む必要もないと思いますよ。本当に。「小説の良さの根源的な意味」みたいなことは僕にもうまく説明できません。ただ小説の面白さ、良さがわかってくると、人生が少しずつ(ほんのちょっとずつ)開けていくような感触があるということは確かです。でもそれがどうしてかを説明するのはとてもむずかしいですね。ある種のものは教えたり教わったりすることができません。自分で見つけていくしかありません。

村上春樹拝