批判に対する心構えとは

批判される立場になられることについて、ご質問です。
やはり、フィクションであっても様々な意見が寄せられたり、また知らないところで色々と書かれることがあると思います。

私も小説家ではありませんが、人に指導したり情報を発信したりする側になる転換期を迎えており、正直、批判される怖さというのがあります。

村上さんは、小説家となってから、そのようなこととどのように折り合いをつけてきたのか、または、折り合いはついていないのかもしれませんが、どのような心構えで活動なさってきたのか知りたいです。

また、批判に強くなる方法はありますか? 

いつも素晴らしい小説ありがとうございます。今後も楽しみにしております。
(友蔵、男性、37歳)

批判に強くなる方法はひとつしかありません。批判を目にしないことです(笑)。僕もしょっちゅう批判を受けていますが、激しい批判を受けて、「柳に風」とへらへら笑っていることはなかなかできません。生身の人間ですから、やはり傷ついたり腹が立ったりします。だからできるだけ見ないようにする。でもそう思っていても、避けがたく目についたり、人づてに耳に届いたりすることはあります。そういうときは、「おまえは創作者になりたいのか、それとも評論家になりたいのか、どっちなんだ?」と自分に問いかけてみることです。そうすると「どれだけこっぴどく批判されても、何もつくり出さずに批判だけする側に回るよりは、何かをつくり出して批判される側に回る方が、まだいいよな」と思えるはずです。うまく折り合いをつけて、がんばってくださいね。

村上春樹拝